よむきくたべるあるくみる

現在「そだてる」モードにつき、どれも中途半端。

水になった村

http://web.mac.com/polepoletimes/
ダムに沈む村で暮らし続けていた人々の姿を追ったドキュメンタリー映画
ダム反対!という主義主張を叫ぶわけではなく、主に山村の暮らしや元気な爺さん婆さんの姿を映した映画で、でもだからこそダムって本当に必要なのか?と考えさせられた。
私は自分や親が何度も引越をしているせいか、住む場所にあまり執着がなく、土地に固執する(すみません偏見です)人の気持ちがあまり分からなかったけれど、これを見たらちょっと考えが変わった。一所に先祖代々住んでいるということは、「土地」だけでなくそこで築かれてきた「暮らし」があるんだなと。それを自ら捨てて都会に出るとか自然災害で失うのならともかく、人為的に無理矢理奪われてしまうのはひどい。最後の、移転地でのお婆さんの姿が、村でのいきいきとした姿とは全然違っていて何だかとてもショックだった。悲しいやら悔しいやらで泣けてきて、上映後に監督の挨拶があったのだけどそれを聞いてまた泣けて、ハンカチ忘れてきたしティッシュも切れちゃったし鼻水止まらないしどうしようかと思った(それはどうでもいい)。
でも基本的には明るくて楽しい映画だと思う。爺さん婆さんはみんな楽しそうに笑うし、出てくるごはんは全部おいしそうだし、生活の知恵とか爺さん婆さんのバイタリティに驚かされっぱなしだし。農作業とか山の暮らしとかほとんど知らないので、これを見て初めて知ったこともたくさんあった。最初から最後まで、うわーすげー! と思いっぱなし。
一方で私にはダムのような構造物を見ると綺麗だと思う部分もあるし、ダムが治水や水力発電に役立っているのも知っているけれど、でももう今あるので充分なんじゃないのかなあ。
なんか感想がうまくまとまりませんが(いつものことだ)、たくさんの人に見て欲しい映画だと思いました。東京では10/5までポレポレ東中野で上映中です。ぜひぜひぜひぜひ。