よむきくたべるあるくみる

現在「そだてる」モードにつき、どれも中途半端。

最近読んだツンデレ小説

月魚 (角川文庫)

月魚 (角川文庫)

最近三浦しをんがお気に入りで、他にもいくつか読んだのですが。これは相当ツボな小説でした。小説の出来から言えば未熟な部分も少しあるけれど、もう設定が私のツボで。男二人が友情と恋愛の境界線上みたいな関係で、お互い相手に対して罪の意識を持っていて、というのはあからさまなボーイズラブより遥かに淫靡でキュンキュン来ますね。そこに父親との確執が絡んでくるし、職業は古本屋だし、舞台設定も最高にツボ。
で、真志喜がツンデレだと思うのですよ。いつもは穏やかで激しい感情を見せないのに、瀬名垣に対しては打ち解けているというか。で、それを罪の意識を持ちながらも受け止めている瀬名垣が……! 何かっちゃあ真志喜の髪を触りたがる瀬名垣に萌え。これがBL系文庫ならここでガバっと……なシーンがところどころに。
いや、腐った頭でなくても楽しめますよ。小説全体に昔ながらの古本屋の空気が漂っていて、静かで時間が止まったような感覚が味わえます。