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現在「そだてる」モードにつき、どれも中途半端。

第6回西荻ブックマーク「しをんのしおり〜出張版」

西荻ブックマーク:http://neko2.net/nbm
行ってきました。面白かった。三浦しをんはすごく想像通りの人でした。「しをんのしおり」は本当に等身大の三浦しをんなんだなあと思った。

  • 司会進行を務めたのは、三浦しをんが以前バイトをしていた古本屋の同僚の方。現在はその古本屋から独立し、夫婦で西荻で古本屋を営んでいるとのこと。なるほど、そういう縁でこのイベントになったのか。
  • 本人登場前に、同僚時代の三浦しをんについてエピソードを少々。バイト仲間の中でマッキーと金太郎事件が話題になった時にものすごく食いつきが良かったとか、その金太郎を間違えて桃太郎と言ってしまってそれはCHA-CHAだと突っ込まれたとか。
  • そしてB-Tの「ENTER CLOWN」*1が流れる中(笑)、本人登場。
  • 初めて生で見ましたが、写真で見るより美人だし、声も可愛すぎず低すぎず知的だし、喋り方もしっかりしてるし、すごくかっこいい人でした。姐さんと呼びたくなる感じ(私より年下なんですけど)。
  • 本や古本をテーマに1時間ほどトーク
  • 子供の頃好きだった本は、ピッキーとポッキー (幼児絵本シリーズ)。これ結構マイナーだと思うんですが、私も子供の頃大好きだったのでかなり嬉しかった。すみれのサンドイッチが食べたかったという言葉に激しく頷いてしまいました。
  • で、三浦しをんはこの本がものすごく好きだったせいでうさぎを飼ったそうなんですが。そのうさぎ2匹にコスモとカーシャという名前をつけたらしい。この名前の元ネタはイデオンだそうです(私さすがにキャラクターの名前までは知らなかったです)。「4、5歳の頃からオタクだったんです」とか言ってた。
  • あと児童書でははなはなみんみ物語 (はなはなみんみ物語 (1))も挙げていた。ピッキーとポッキーもだけど、地図(お話の中の世界や街を描いた地図)のある本が好きだったそうです。
  • そして三浦しをんが小学生の頃好きだったのがチェッカーズ、というわけでコバルト文庫から出ていたThe Checkers―チェッカーズ写真集 (集英社文庫―コバルト・シリーズ)を紹介(すごいなAmazon、こんなものまで出てくるのか!)。私、中学生の時これを本屋で立ち読みした覚えがあります(笑)。
  • 更に、チェッカーズのリーダー武内亨が当時書いた本も紹介(タイトル失念。すごくうわーって思うようなタイトルだったのに、さすがにAmazonにもないしwikipediaにも記述がない)。いろんな漫画家の人(蛭子さんとか)が寄稿してたりして実は豪華らしい。布貼りハードカバー函入りで見た目も豪華だった。
  • 漫画では茶木ひろみの作品を紹介。三浦しをんは少女漫画では白泉社系に詳しくて集英社系には疎く、茶木ひろみは友達に薦められて知ったらしい。少女漫画の王道っぽいストーリーなのに、何かズレてるところがすごいらしいです。
  • 古本屋でバイトしていた頃にその店で買った本の話。
  • まずはヤクザ本。ヤクザの抗争で若くして亡くなった人の追想録を紹介。はっきりとは書かれていないけれど、どう見ても著者もその筋の方らしい。それと、日本の親分大全集みたいなタイトルの、親分たちの写真集も紹介。
  • それから「茶色い本」。紙が日に焼けて茶色くなった古い本をそう呼んでいたそうで、奥付の検印が面白いらしい。出版社の判子が押されているものとか、不思議な鳥が描かれているものとか、作者の名前にちなんでか草の切れ端のようなものが一緒に貼付けられているものとか。
  • あとは昔の絵葉書。キャプションと絵が微妙にズレてて面白いらしい。
  • 小説を書く際の資料としても古本が役立ったという話。風が強く吹いているを書くのに箱根駅伝の資料があまりなくて、知り合いの古本屋さんに何かあったら教えてくれるよう頼んでおいたら、大学陸上部のOB会が作ったらしいスコアブックのようなものが手に入ったそうです。電車のダイヤグラムのような表だった。
  • それを参考に自分で作った表も公表。全体の順位の変動やタイムが書き込まれてすごかった。区間毎の表も作ったそうで、やっぱりちゃんとこういうの作るんだ、と感心。
  • アパートの見取り図も公表。本の標題紙のイラストは、イラストを担当した山口晃さんにこの見取り図を見せたところ、あんな素晴らしい絵になったとのこと。
  • 以上で前半終了。休憩中は紹介した本を手に取って見たり、壁に貼られた先程の表を見たりできたので、じっくり見てきました。小説のできあがる工程(というのかな)を間近に目にできるなんてすごく貴重だ。
  • 後半は質問と相談。事前に回収した質問から幾つか回答。ちなみに私はこういう時に良い質問が全然思い浮かばないので提出自体してません。
  • 印象に残った質問と回答。「一億円あったら何をしますか」に「土地を買ってボーイズラブ図書館を造ります」。「執筆中のBGMはバクチクですか?」に「最近は義太夫を聞いているけれど、時々バクチクを聞くと、ああこの人たちの音楽は本当に私の心に合うなあと思う」(細かいニュアンスは違うけれど、そんなようなことを言っていた)
  • どんな質問や相談にもちゃんと答えてて、すごく頭の回転の速い人なんだなあと感心しました。
  • そしてお土産(「全プレ」て言ってた)! 月魚 (角川文庫)の外伝をもらいました! A3判の紙に印刷されてて、真ん中に切れ目入れて折ると8ページの小さな冊子になる……って無料配布同人誌のようだ(笑)。月魚大好きなのでこのお土産はすごく嬉しかった。
  • 最後にサイン会。私も風が強く吹いているを会場で買ってサイン頂きました。わあい。しかしサイン会の間ずっと十三階は月光がかかってて、何だかとても可笑しかったです。知ってる曲を思いがけないところ(この場合そこまで思いがけなくもないけど)で聞くと可笑しい。
  • すごく楽しかったです。またこういうトークを聞く機会があったら是非行きたい。

*1:十三階は月光の1曲目。インスト。