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現在「そだてる」モードにつき、どれも中途半端。

三浦しをんトークショー

あやつられ文楽鑑賞刊行記念「意外な自分のみつけかた −伝統芸能っておもしろい」 ゲスト:酒井順子 於青山ブックセンター本店
面白かった。ゲストの酒井順子さんも文楽が好きでよく見に行くそうで、かなりディープな文楽談義でした。ところどころ妄想が入ったのがいい息抜きだった。
私は学生時代に近世日本文学の授業で文楽について講義を受けたので、ある程度は知識があるのですが、生で見たことはありません。興味があるんなら見に行けよって話ですが、チケット取りにくいとか生半可な知識で見るのはちょっととか、躊躇が。でもこのトークショーを聞いたら、ぜひとも生で文楽を見たくなりました。
以下、印象に残ったところをいくつか。

  • 文楽を見ていると、人形に自分が同一化してしまったような感覚を覚えることがある(魂を持っていかれるとか魂が入り込むとかそういう言い方をしていたような気がするが忘れた。ニュアンスとしては合っていると思う。多分。)、という酒井さんの意見にしをんさんも同意。歌舞伎だと人間が演じているからそこまで入り込むことはないけれど、文楽はやっぱり木偶だからだろうか、と。あと、その対象は必ず女の人形で、男の人形にそういう感覚を覚えることはない、らしい。
  • 酒井さんが「文楽やおい小説はないんですか」としをんさんに聞く(笑)。しをんさん、しばし考えてから、「ないですね」。歌舞伎や能のものはあるけれど、文楽は記憶にないそうです。狂言も多分ないらしい。
  • 太夫も三味線も、3人の人形遣いも、舞台上では何の目配せもしないのに息が合っている。きっと舞台上ではツンだけど、楽屋ではデレなんだ、としをんさんが言っていた。
  • 文楽は女性に対して酷い仕打ちをする話が多いけれど、江戸時代の町娘はそれを見て怒らなかったんだろうか、と2人が言っていたら、進行役のポプラ社の編集担当の方から「江戸時代の文楽の観客は、大半が男性だったそうです」と豆知識が。他にも時々注釈を入れていて、文楽に詳しい人なんだなーと感心した。
  • 文楽を見に行く時は、とにかく長丁場なので、楽な恰好で行った方がいいらしい。休憩が短いので、食事をどうするかも重要だそうだ。ふむふむなるほど。

本も購入したので、読んでますます文楽を見たいという気持ちを膨らませようと思います。