よむきくたべるあるくみる

現在「そだてる」モードにつき、どれも中途半端。

さよなら「ヴィジュアル系」

元になったハードカバーは2冊とも持ってるんですが、これも買って読んでしまいました。
上手く再構成したなあ。でも新規書き下ろしの半分くらいが、先日出た音楽誌が書かないJポップ批評 52 X Japanの全軌跡 (別冊宝島 1520)に収録されてるのと同じなのがちょっと損した気分だ……。
最近の再結成ラッシュのあとに改めてインタビューを読むと、なんか面白いな。過去のこととして語ろうとしてるのに全然過去にできてない感じがする。だから再結成があったのかなあ、とちらっと思った。
でも、私はあとがきに共感できない。私には当時熱狂しきれなかったという思いがあるから。この本のタイトルを借りるなら、私は「紅に染まったSLAVE」になりきれなかった。そして今、再結成ライブに行って当時を取り返そうとしても、それは無理だ。私が大人になってしまったから、というのもあるけれど、バンドの方もあの頃と同じわけではないし、バンドを取り巻く環境もあの頃とは全然違うし。今では再現できない、あの時代でないとできなかったこと、があるわけで。それこそ ♪あーのころには、かえれない、のだなあ、と。
改めてそんなことを思わされた一冊でした。